武田秀太郎

武田秀太郎

九州大学准教授・武田秀太郎の個人ウェブサイトです。(前・国連職員 → 九州大学)

(Book) 「騎士道」レオン・ゴーティエ著/武田秀太郎編訳

内容

「騎士の十戒」の出典として知られる幻の名著を初邦訳。騎士の起源、規範、叙任の実態が明らかに。騎士道の法典、R.リュイ「騎士道の書」収録。「武勲詩要覧」付録。

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目次

編訳者序

第一部 騎士道

第一章 騎士道の起源  30 キリスト教と戦争  31 /戦争の正当性  34 /キリスト教徒と軍務の歴史(四世紀ま で)  36 /教会による兵士の賛美(一〇世紀まで)  38 /騎士道の萌芽  40 /騎士道 の確立  43 /騎士階級の起源  46 /騎士階級ローマ起源説への反駁  47 /騎士階級 封建制起源説への反駁  50 /騎士叙任式の萌芽  54 /中世暗黒時代と騎士道  55 / 騎士叙任―第八の秘蹟  56 /叙事詩に見る封建領主の暴虐  57 /暴力的戦士から 騎士へ  61

第二章 騎士の十戒  66

第一の戒律 汝、須らく教会の教えを信じ、その命令に服従すべし  68 叙事詩に見られる無神論  70 /「神の男」騎士  73 /騎士と祈り  75 / 聖母マリアへの崇敬  77 /騎士とミサ、神明裁判  79 /騎士道とゆるし の秘蹟  81 /謎の流行  85 /信仰の中の死  86 第二の戒律 汝、教会を護るべし  89 真実を守護する戦士  90 /叙事詩に見る

第二の戒律  91

第三の戒律 汝、須らく弱き者を尊び、かの者たちの守護者たるべし  93 騎士と聖職者の関係  93 /寡婦・孤児の守護  97 /弱き者の守護者、騎 士  98

第四の戒律 汝、その生まれし国家を愛すべし  101 「フランス」の誕生  102 /愛国心と愛郷心  105 /中世フランスに観察さ れる愛国心  107 /フランスの国家的英雄ローラン  109 /陽気なるフラン ス騎士  113 /フランス人の愛国心  114

第五の戒律 汝、敵を前にして退くことなかれ  117 騎士の武勇  118 /武勇の源流  119 /十字軍騎士の武勇  120

第六の戒律 汝、異教徒に対し手を休めず、容赦をせず戦うべし  123 異教徒への憤怒  125

第七の戒律 汝、神の律法に反しない限りにおいて、臣従の義務を厳格に果たすべし  127 封 建 主 義 と 騎 士 道 の 混 同 へ の 再 反 論   127 /臣従義務の理不尽性  129 /騎 士道に見られる臣従関係  132

第八の戒律 汝、嘘偽りを述べるなかれ、汝の誓言に忠実たるべし  137 騎士の誠実  138

第九の戒律 汝、寛大たれ、そして誰に対しても施しを為すべし  140 三誓願と騎士道 141 /騎士の持つ寛大と慈悲  141 /寛大さ〈Largesse〉 143

第十の戒律 汝、いついかなる時も正義と善の味方となりて、不正と悪に立ち向かうべし  147 悪をくじく正義の味方、騎士  148

反 十 戒 思 想   150

騎士の十戒の酬い  152

第三章 騎士道の退廃  157 退廃の真の始まり・一三世紀  157 /アーサー王と円卓の騎士 158 /過度の騎士団熱  160 /百年戦争における騎士道の凋落  164 /騎士道の風刺作品  166 /道を外れた騎士への懲 罰  168 /現代に息づく騎士道  169

第四章 騎士の叙任  172 第一の問い 誰が〈Quis〉?  173 第二の問い いつ〈Quando〉?  178 第三の問い どこで〈Ubi〉?  181 第四の問い 誰によって〈Per quem〉?  186 君主による騎士叙任  189 /複数の人物による叙任  193 /聖職者による叙 任  194 /女性の手による叙任  195 /死体による叙任  197 第五の問い いかにして〈Quom〉?  199 叙任式の三形態―軍事式、キリスト教式、典礼式  200 /史実に記録 された軍事式叙任式  205 /叙事詩に詠われた軍事式叙任式  208 /「肩打 ち」の導入  213 /叙任式に記録された肩打ち  214 /肩打ち儀礼の定型  216 /キリスト教式叙任式  219 /キリスト教式叙任式の五要素  221 /キリ スト教式叙任式における各儀式の意味 222 /典礼式叙任式  228 /典礼式 叙任式の起源  229 /典礼式叙任式の式次第  232 /騎士叙任式のまとめ  239 結言  242

第二部 騎士道の書  247

序 章 隠遁騎士と従騎士  250 第一章 騎士の起源  254 第二章 騎士たる者の責務  259 第三章 従騎士の試験  269 第四章 騎士の叙任  277 第五章 騎士の授けられる武具の意味  281 第六章 騎士たる者の美徳と善行  288 第七章 騎士の名誉  299

武勲詩要覧  301

シャルルマーニュ詩群  301 『ローランの歌』(一一世紀末)/『アスプルモンの歌』(一二世紀末)/『大足の王妃ベルト』(一三世紀後半) /『スペイン侵攻』(一四世紀) ギヨーム・ドランジュ詩群  312 『ルイの戴冠』(一二世紀前半)/『ニームの荷車隊』(一二世紀中葉)/『オランジュの陥落』(一二世紀末) /『アリスカン』(一二世紀末) ドーン・ド・マイヤンス詩群  320 『ジラール・ド・ルシヨン』(一二世紀中葉)/『ラウール・ド・カンブレー』(一二世紀末)/『ルノー・ド・モ ントーバン(エイモンの四人の息子)』(一二世紀末)/『オジエ・ル・ダノワ』(一三世紀前半)/『ジラール・ ド・ヴィエンヌ』(一二世紀末)/『ドーン・ド・マイヤンス』(一三世紀中葉) ロレーヌ詩群  330 『ガラン・ル・ロレーヌ』(一二世紀後半) 十字軍詩群  332 その他の武勲詩  332 『アミとアミル』(一二世紀)/『エヨール』(一二世紀末)/『騎士団』(一三世紀前半)/『オーベリ・ル・ ブルゴワン』(一三世紀後半)

編訳者解説  307

 

出版社: 中央公論新社 (2020/1/8)

言語: 日本語

ISBN-10: 4120052591