武田秀太郎

武田秀太郎

九州大学准教授・武田秀太郎の個人ウェブサイトです。(前・国連職員 → 九州大学)

(AWARD) マルタ騎士団ナイト・オブ・マジストラル・グレースに叙任

九州大学都市研究センター准教授を務める武田秀太郎(たけだ・しゅうたろう / 33)が、ローマに本部を置き900年の歴史を有するマルタ騎士団により騎士に叙任されるとともに、聖ヨハネ騎士勲章ナイト・オブ・マジストラル・グレース章を受勲したことを発表します。

武田准教授の叙任ならびに叙勲は、国連職員、青年海外協力隊員、また大学教員として長年国際人道支援を続けてきた功績によるものです。

尚、日本国籍の騎士は従来マルタ騎士団に存命しておらず、武田准教授は日本国籍で唯一のマルタ騎士となります。日本国籍の騎士叙任はおよそ90年ぶりです。(※1)

【マルタ騎士団について】

マルタ騎士団は11世紀に教皇パスカリス2世により設立され、今日でも国際法において主権を認められたカトリックの騎士団です。マルタ騎士団は120カ国と外交関係を有しており、国連ならびに欧州連合において常任オブザーバーの地位を得ています。1834年以来、騎士団の本部はローマにあり、その本部ならびに大使館においては治外法権が認められています。

マルタ騎士団は現在世界に13,500人の騎士、95,000人の常勤ボランティア、52,000人の医療専門職員を擁しており、病院業務、ヘルスケア、戦争や飢餓に苦しむ人々の緊急支援、自然災害の被災地への救援、社会サービスなど国際人道支援を120カ国で展開しています。

マルタ騎士団は、12の管区、48の国家支部、133の外交使節団、1つの国際NGO、33の国家慈善組織、そして数多くの病院と医療センターを運用しています。経済的、政治的な目的は持たず、他の国家や政府に依存していません。

尚、マルタ騎士団については、武田准教授により、2023年春に中央公論新社より単行本「マルタ騎士団 – 日本人の知らない領土なき独立国(仮題)」が刊行予定です。

【聖ヨハネ騎士勲章】

マルタ騎士団騎士は、各管区において候補者が厳正に選抜された後、ローマの中央評議会により審査・決定されます。選抜基準は貧者・病者に対する顕著な奉仕活動の履歴を有し、法曹界、学界、医療界等において指導的な立場にあるカトリック教徒であることです。

マルタ騎士団騎士への叙任はカトリック教会における最上級の栄誉の一つであり、騎士には叙任と同時に聖ヨハネ騎士勲章が授与されます。今回武田准教授には、ナイト・オブ・マジストラル・グレース章が受勲されました。

【武田准教授略歴】

三重県出身、33歳。京都大学工学部を経て、京都大学大学院エネルギー科学研究科に専攻首席で合格、核融合工学で研究科史上初めて1年飛び級で博士号を取得した後、ハーバード大学においてサステナビリティ学修士を取得。2019年、京都大学特任助教時代に京都フュージョニアリング社を共同創業。後に当時京都大学全学最年少(31歳)となる特定准教授に就任。IAEA(国際原子力機関)において日本人として初めてとなる核融合プロジェクト准担当官としての国連勤務を経て、現在九州大学都市研究センター准教授。ギフテッドとしてNHK「素顔のギフテッド」ほか出演。

今回の受勲は国際人道支援上の功績が認められたものであり、特に1)青年海外協力隊としてのバングラデシュ村落部での人道支援活動、2)国連職員としての発展途上国人道外交、3)大学教員としての東南アジア地域再生可能エネルギー支援政策プロジェクトの主導、4)香港における恵まれない家庭へのリモート教育慈善事業にかかる顕著な業績が挙げられています。

【※1 共同通信社2022311日付け報道について】

共同通信社は2022年3月11日、誤った記事を配信し、マルタ騎士団を騙る偽団体に関する報道を行いましたが、後に誤りであるとして撤回するとともに訂正記事を配信しています。

なお、今回武田准教授の叙任にあたり、共同通信社は正式にマルタ騎士団ならびに武田准教授に対し書面で謝罪をするとともに、正しい情報を報道する観点から2022年6月24日付で本叙任についての配信を行っています。